本展は、“清酒発祥の地”である兵庫県の伊丹市立工芸センターが主催で、「酒器・酒盃台」を主題に、国際的に公募しているクラフト作品展の、東京巡回展です。今回も、海外からの出品者36名(12カ国)を含め、375名の応募作品のなかから、厳正な審査を経て入賞・入選を果たした94名(うち海外9カ国22名)の作品群106点(伊丹展と同数)を、東京巡回展として披露します。

1989年に始まった伊丹クラフト展は、1998年に伊丹国際クラフト展としてより大きな公募展に切り替わり、以来、主題を「ジュエリー」「酒器・酒盃台」として交互に開催されてきました。応募者も年々増加し、日本はもとより海外から寄せられた作品が入選・入賞を果たし、お酒の愉しみ方同様、国際色豊かなクラフト作品の展覧会となりました。今年、栄えある大賞に輝いた作品をはじめ、どの作品も単なる造形美にとどまらず、現代人にとって魅力ある場を造りだすメッセージ性を持ちあわせます。素材には木・陶磁器・ガラス・多様な金属をはじめ、漆・わら・貝などを用いた新しい発想の作品群で、酒器には様々な要素や可能性があることを実感いただけます。