知的好奇心を満たしたい大人のための短期集中の連続セミナー。「いのち・環境」「暮らしとデザイン」「伝統文化」をキーワードに、多彩な講師の方々から心を豊かにする暮らしかたのヒントとなるお話を伺います。

参加費:各回1,000円※せたがやアーツカードをお持ちの方は参加費各回200円引き
定員:各回100名



■9月1日(水)
植物と微生物の対話が教えてくれること 【いのち・環境】
夏秋啓子(東京農業大学教授)
環境問題、食糧問題が地球的規模で危惧され、エコ生活が叫ばれるなか、これからの農業はどうなっていくのでしょうか。安心安全な農作物をつくるために、微生物の力が役に立つって本当でしょうか。途上国の農業についても学びながら、人と植物、さらに植物と微生物とのかかわりについて考えていきます。
夏秋啓子(なつあき・けいこ)
1954年東京生まれ。農学博士。東京農業大学国際食料情報学部教授、同大学学生サービスセンター長。アジアやアフリカの途上国において農作物を病気から守る「熱帯作物保護学」が専門。途上国の農村での調査とともに、実験室では最新のテクノロジーで研究している。


■9月8日(水)
和の思想 【伝統文化】
長谷川櫂(俳人)
和食、和服など日本を表す「和」には、異質のものを共存させ、新たに創造するという意味があります。外来の文物を取り入れ、風土や生活と調和させながら築き上げられた日本文化のなかで、「和」とはどのように生まれ、日本人の生きる力になったのか伺います。
長谷川櫂(はせがわ・かい)
1954年熊本県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞記者を経て俳句に専念。俳句結社「古志」主宰、朝日俳壇選者、「季語と歳時記の会」代表。『俳句の宇宙』でサントリー学芸賞、中村草田男賞、句集『虚空』で読売文学賞受賞。『「奥の細道」をよむ』など著書多数。


■9月22日(水)
いのちはつながりの中に 【いのち・環境】
中村桂子(JT生命誌研究館館長)
可愛くふるまうロボット犬がいます。でもこれは生きてはいません。ロボットと本物の犬との違いから、生きものは38億年の歴史の中で生れたものであり、さまざまなつながりの中にあることを見ていきます。DNA、細胞、進化、生態系などにも眼配りして。私たちも生きもの。生きものらしく暮らしたいものです。
中村桂子(なかむら・けいこ)
1936年東京生まれ。理学博士。東京大学理学部化学科卒業、同大学院生物化学修了。人間も含め生きものとはなにかを知るにはその歴史物語を読み解く必要があると「生命誌」という新しい知を創出。93年にその理念を追究する「JT生命誌研究館」を設立し、現在館長を務める。


■9月29日(水)
これからの人と自動車 【暮らしとデザイン】
舘内 端(自動車評論家)
環境への影響、石油資源など、現代の車社会はさまざまな問題に直面し、次世代車の開発競争の中で人と自動車の関係も変わりつつあります。これからのモビリティはどうなっていくのか、地球環境を守りながら人と自動車が共存していくためにはどうすべきかを伺います。
舘内端(たてうち・ただし)
1947年群馬県生まれ。日本大学理工学部卒業。東京大学宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。94年に日本EVクラブを設立、代表を務め、環境負荷の少ない自動車の開発、普及・啓蒙活動を行っている。その活動に対し、98年環境大臣表彰を受ける。


■10月27日(水)
デザインとは 【暮らしとデザイン】
下川一哉氏(「日経デザイン」編集長)
デザインとは何か、デザインするとはどういうことか、良いデザイン・良くないデザインとはどういうものか、また、日々の生活を豊かにするためにデザインは何ができるかなど、今を生きる私たちが心豊かに暮らすために身のまわりを見直すヒントを伺います。
下川一哉(しもかわ・かずや)
1963年佐賀県生まれ。88年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。「日経イベント」「日経ストアデザイン」などを経て、94年「日経デザイン」編集に配属。99年より副編集長、08年より編集長。経済産業省、特許庁ほかの委員会委員、デザインコンペの審査員を多数務める。


■11月3日(水・祝)
日本の美の心を読み解く 【伝統文化】
名児耶 明(五島美術館学芸部長)
日本の書の美しさは、筆致、墨色、料紙、題材など、さまざまな要素が融合して形づくられています。なぜ、誰もが美しいと感じるのかを、仮名作品を中心に、より深く味わうための鑑賞のポイントや、本物の芸術作品に触れることの大切さについて伺います。
名児耶明(なごや・あきら)
1949年北海道生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)教育学部芸術学科書専攻卒業。五島美術館学芸部長、東京学芸大学講師、東京芸術大学講師。『書の見方』、『書に心よせる 美術館へ行こう』、『日本書道史年表』、『かなを読む』等、著書多数。