坂茂の建築の特徴は、「紙管」をはじめとする身近な材料の特性を見出し、
独自の構造や工法へと展開することにあります。
これまでに、《紙の家》(1995年)や《ハノーバー国際博覧会日本館》(2000年)など、
個人住宅から公共施設まで多岐にわたり手掛けてきました。
また、自身の知識と経験を活かした災害支援活動を続けており、
阪神淡路大震災では、紙管を使った《紙の教会》(1995年)や、
被災者のための仮設住宅《紙のログハウス》(1995年)をつくり、
東日本大震災では避難所の環境を改善する《避難所用簡易間仕切りシステム》(2011年)を設置しました。
ニュージーランド・クライストチャーチでは、大地震で大聖堂が崩壊してしまったことを受けて
《紙の大聖堂》(2013年)を設計するなど、世界各地で災害支援活動を行っています。
この展覧会では、近年頻発する自然災害のなかで人々の「住まい」がいかにあるべきか、
坂茂の建築と活動を通して考えていきます。
坂茂(ばんしげる)
建築家。1985年、世田谷に坂茂建築設計を設立。紙管やコンテナなどを利用した建築や災害支援活動で知られる。
2009年日本建築学会賞作品賞、2014年フランス芸術文化勲章(コマンドゥール)、同年にプリツカー賞を受賞。
坂茂建築設計:www.shigerubanarchitects.com