たとえば「ただしい車」とは、信号を守る、一方通行に侵入しない、スピードの出し過ぎでまわりに迷惑をかけない、などごくあたりまえのことですよね。
では「ただしいいぬ。」って何でしょうか?散歩中のウンチはきちんと袋に入れて持ち帰る、人を咬まない、避妊や去勢手術を施してあるなど、愛犬家のみなさんには「犬を飼うなら常識です!」と言われそうなことばかりです。そんな犬を愛する人たちにもうひとつ聞いてみます。「あなたの犬に鑑札はついていますか?」
日本では、犬を飼い始めた場合、市区町村に届け出て登録をすることが厚生労働省の定める「狂犬病予防法」で義務付けられています。その時に交付されるのが小さな金属のプレートでできた「犬鑑札」です。
法律で定められたナンバープレートを付けずに走る車はただしい車ではありませんね。簡単にいうと犬鑑札は犬のナンバープレートと同じ役割を果たしているのです。しかし、犬鑑札の装着が義務であることを知らなかったり、小型犬には大きすぎる、デザインがあまり好きでないなど様々な理由で鑑札が着けられていないのが現状です。そして、迷子になったり捨てられて保護されたにもかかわらず、収容期間を過ぎても飼い主の現れない犬たちの多くは、この犬鑑札が着けられていなことが理由により致死処分されているのです。その数は、日本全体で年間数万頭に上ります。
世田谷区ではこうした現状をふまえ、犬鑑札の認知と装着率の向上を目指して2009年度より新しい犬鑑札の導入を決定しました。世界的な工業デザイナー、深澤直人氏の協力を得て犬鑑札の問題点を検証し、法律に規定された範囲の中で、犬にも人にもやさしい鑑札作りに取り組みました。
今年のただのいぬ。プロジェクトは、20日から26日の動物愛護週間にあわせて開催。ただしい犬の暮らし方とともに、世田谷区発信の新しい犬鑑札を展示発表いたします。
【展示内容】
●「シロがうちにやってきた」絵本展
●深澤直人デザイン世田谷の新鑑札 展示発表会
●ぬいぐるみドッグラン spooks 陳列美術品製作所 marini*monteany ほか
●新鑑札をつけた世田谷の犬の写真展 写真:服部貴康