休館日をのぞき、生活工房は毎晩夜10時まで開館しております。
そんな夜の生活工房を楽しんでもらうためのセミナー。
平日の夜、専門家による講義に学び、
風景と食設計室ホーさんによる料理を食しました。
夜の暗がりの中で、
日常の中でありふれて見えなくなっているものを
目を凝らして見てみましょう。
第一夜は「夜と塩」。食べ物の中で唯一生き物ではない塩。
約40億年前、海に生まれた原始の生命は細胞に塩を内包し、
私たち人間にとっても塩は、生命維持に欠かせないものです。
たばこと塩の博物館学芸員の高梨浩樹さんのお話しから
当たり前に食卓にある塩は、けして嗜好品ではなく
人間にとって切実な存在であることを知りました。
(しかしその味わいや、人と塩との関わりが生む文化を楽しみつつ)
- [プログラム報告]
食べられるセミナー「夜と生活工房」
夜に訊く、塩と肉のはなし。
第二夜は「夜と肉」。「ブタは声まで食べられる」と言うほど、
耳・内臓・足まで全てを食べつくす沖縄の豚食文化。
沖縄国際大学講師で文化人類学者の比嘉理麻さんに
フィールドワークの調査・経験をもとにした
家畜と寝食をともにしていた沖縄の歴史と、
近代、産業化により生まれた
物理的・精神的距離と大量消費との矛盾など、
現在進行形の人とブタの話を訊きました。
食事をいただきながら
特別ゲスト、有難豚の生産者である高橋希望さん
にもお話しをしていただきました。
実はこの有難豚、世田谷の上祖師谷でも
飼育されているのです!!
造園業を営む吉実園さんは、敷地内に放牧場をもち
高橋さんの有難豚を放し飼いで育てています。
お料理では初めに
世田谷育ち、宮城育ちの有難豚の食べくらべもしました。
両日、料理を担当したのは
風景と食設計室 ホーさん。
生活工房の空間に
素敵な夜の風景をつくっていただきました。