2020年1月に開催する展覧会のため、小森はるか(映像作家)+瀬尾夏美(作家、画家)、砂連尾理(ダンサー・振付家)の新作に関わるリサーチメンバーを募集します。

■展覧会概要■

開催時期:2020年1月25日(土)~2月16日(日)
主催・会場:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房
(東京都世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー3・4階)

アーティストとリーサーチャーが、世田谷区や都内において聞き書きを行い、2011年の東日本大震災と2020年の東京オリンピックという大きな出来事の狭間における、人々の生活の中の思いと物語を集め、記録します。そして、それを元に3人のアーティストが作品を制作し、広く一般の方に向けて展示・発表します。

■アーティストプロフィール・メッセージ■

小森 はるか+瀬尾 夏美 (こもり はるか + せお なつみ)

映像作家の小森と画家で作家の瀬尾によるアートユニット。2011年3月、ともに東北沿岸へボランティアに行ったことをきっかけにして活動開始。2012年より3年間、岩手県陸前高田市に暮らしながら制作に取り組む。2015年、東北各地で活動する仲間とともに、土地と協働しながら記録をつくる組織、一般社団法人NOOK(のおく)を設立し、仙台に拠点を移す。現在も陸前高田での制作と対話の場づくりを活動の軸にしながら、全国各地へ赴き巡回展を開催している。 http://komori-seo.main.jp/

砂連尾 理(じゃれお おさむ)

振付家・ダンサー。1991年、寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、ドイツの障がい者劇団ティクバとの「Thikwa+Junkan Project」、京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」などを発表。また宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」では瀬尾なつみ、小森はるか等と協働する。著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。 立教大学 現代心理学部・映像身体学科 特任教授 https://www.osamujareo.com/

・・・・・

2019年、東京。私たちはいまこの地点に立っています。あえて形容するとしたら、「震災後」であり、同時に「オリンピック前」である、ちょうどふたつの大きな事象のはざまにいる、という感じでしょうか。

大災害/大事故のショックのあと、気づけば巨大な祝祭へと加速的に向かっていく社会状況を目の前にして、自らの手で何をしたらよいのかをふと見失い、なんだかぼんやりとしてしまう感覚があるような気がします。

けれど、そうしている間に、「震災」のときに戸惑い、その後、悩みながら繰り返した密やかな会話の中で気づいたこと、皮膚感を伴いながら大問題だと感じたはずのあれもこれも、どこか薄れて、遠い存在になってはいないでしょうか。

いよいよ東京では祝祭の準備がピークを迎え、その後の社会を想像することも困難に思えてしまうほどの巨大なお祭りが訪れます。
だからその前に、あの時やあれからの日々で気づいたはずの、忘れちゃ困る、置いていきたくはなかった身近な大問題たちに、改めて出会い直しに行きませんか。
そうすることで、歴史的な節目の影に埋もれてしまいそうな、自分たちなりに手触りのある時間軸をつないでいけるかもしれません。

私はまずどこに立っていて、何に関心を持ち、これからをどうしたいのか。
それを知るために、考える時間を得るために、
東京のまちに出かけて、話を聞き、その移ろいをよく見てみる。
そして、自分だけの地点を獲得して、ちいさな物語を編み、このまちでうたう。

それが思いがけないユーモアに包まれた、誰しもが口ずさんでしまうような歌になったら、
隣にいる人やどこか遠いところにいる人たちと、未来を語るためのあたらしい会話がはじめられるかもしれません。
ちょうど戦後15年で軽やかに歌われたスーダラ節みたいに。

小森はるか+瀬尾夏美、砂連尾理


■リサーチの活動期間■

2019年6月~2020年1月

■内容■

・メンバーおよび作家の関心領域にもとづいたリサーチを、協力しあいながら行います
・リサーチの手法として主に、誰かに会いにいき、その人の話を「聞く」「語る」「書く」ことを行います

■募集人数■

4~5名程度、選考により決定

■応募条件■

・高校生〜30歳以下(2019年4月2日時点)
・下記の月1〜2日程度の東京都内でのリサーチに参加できること

活動予定日:2019年6/2(日)、7/14(日)、8/3(土)~8/4(日)、9/1(日)、10/6(日)、11/17(日)、12/22(日)、2020年1/18(土)~19(日)
※日程は場合により変更の可能性があります

・人の話を聞くことが好きであること
・面接選考や連絡等のためにインターネットやEメールが使える方
・性別、経験不問

■申込み方法・しめきり■
こちらのフォームに、必要事項を入力の上送信ください。

5月19日(日)24:00まで


■選考方法■

5月26日(日)に作家による1人20分程度の面接(skype等インターネット利用)を行い選考いたします。面接時間については、個々に調整させていただきます。
※応募者多数の場合は、書類選考を行った後に面接となります。
※結果はお申込みいただいた方全員にメールでご連絡いたします。


■その他■

・リサーチ1回毎に交通費程度の謝金をお支払します
・食事代などは自己負担となります
・小森、瀬尾、砂連尾の三者の作品のなかでモデルとして描かれたり、映像およびパフォーマンスに出演したりする可能性があります
・未成年者の方は、採用決定後、親権者の同意書をご提出いただきます。
・お送りいただく情報は、本件の選考およびそれに関するご連絡にのみ利用いたします。

■問い合わせ先■
生活工房 info@setagaya-ldc.net ℡03-5432-1543