8ミリフィルムのアーカイブ・プロジェクト「穴アーカイブ」。
その一環として、「せたがやアカカブの会」という定例の、ミニ鑑賞会&ワークショップが今春から始まっています。
7月13日に開催されたvol.2の様子を、せたがやアカカブの会・世話人の松本さんがお届けします。
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vol.2の前半は、前回(vol.1)の42年の都電/44年の東急玉川線の映像をじっくりと観ながらどんな話がでたのか、参加者の皆さんとともに振り返りました。
三軒茶屋の交差点に路面電車が入ってくるシーンで、vol.1の参加者から伺った「交差点にポイント切り替えを行う詰め所があった」というエピソードを紹介しているその時でした。
「あっちから走ってくる職員さんは、詰め所の人じゃなくて運転手じゃないかな」。vol.2からの初参加のお一人が、そのひと言を皮切りに、ポイント切り替え作業について、当時の三軒茶屋の様子について、身振り手振りを添えながらお話をされはじめました(後日、詰め所がバッチリ写った写真をご持参いただきました)。
vol.1の参加者の語りがvol.2の参加者の語りによって上書きされていく。ときには食い違い、あるいは、補完しあったり、はたまた、まったく交わらないままだったり。
2つの視点が時間差で出会う。そんな瞬間に立ち会ったような心地がしました。スクリーンに映る風景は、スクリーンを眺める風景とともにあるのかもしれません。
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vol.2の後半では、昭和36年の春頃に撮影された「井の頭公園」(モノクロ/約4分)の映像を取り上げました。
参加者の皆さんからは、以下のような気づきや質問・疑問が共有されました。
「オート三輪で、八百屋が行商していたのを憶えている」
「当時は休日でも外出時はスーツ、ネクタイ姿のお父さんが多かった。カジュアルに装っている父親の服装に注目」
「池のボート、男性2人で乗っている。カップル少ない?」
「子どもが飲んでいるのは缶ジュースか? 缶詰か?」
「動物園のクジャクは飛ばない」
「いや、動物園近くの住民曰く、家の庭まで飛んできたらしい」
次回の前半では、「井の頭公園」の映像の振り返り、気づきや疑問をさらに深めていきます。
後半では、新規の映像として、昭和39年10月12日に撮影された、「駒澤オリンピック公園」(カラー/約4分)を取り上げる予定です。
(せたがやアカカブの会・世話人 松本)
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以上、アカカブの会・世話人の松本さんからのレポートでした。
次回のレポートも、どうぞお楽しみに!
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■次回告知
鑑賞会&ワークショップ
せたがやアカカブの会vol.3
日時:8月3日(水)19:00 – 20:30
場所:生活工房ワークショップルームB(三軒茶屋・キャロットタワー4F)
参加費無料
「せたがやアカカブの会」とは、本取り組みでデジタル化・公開した8ミリフィルムをあらためてじっくり観ながら、
それぞれの視点から語り合う、小さな集いの場です。
先月のアカカブの会(vol.2)では、昭和36年の春頃に撮影された「井の頭公園」(モノクロ/約4分)の映像を取り上げました。
今回は、昭和39年10月12日に撮影された、「駒澤オリンピック公園」(カラー/約4分)を取り上げます。
前半に前回の映像(vol.3)の振り返り鑑賞&ワークショップ、
後半に「駒澤オリンピック公園」の鑑賞&ワークショップを予定しています。
参加者それぞれの観点が交わることで、みえないものがみえてくる。
それがアカカブの会の面白さ。皆さん、ふるってご参加ください。
せたがやアカカブの会とは?
かつての世田谷を記録した映像を手がかりに、いま・ここにいる私たちと映像との関係を結びなおす試みです。
映像をきっかけとして紡ぎ出された記憶や想像の断片は、記録として残し、穴アーカイブの成果として公開・発表していく予定です。
今年度は、昨年度にデジタル化した映像の蔵出し鑑賞&ワークショップを定期的に開催しています。
開催情報は生活工房ホームページの他、メーリングリストでも配信しています。
一見さん大歓迎。皆さんのご参加をお待ちしています。
メーリングリストへのお申込み方法
件名を「せたがやアカカブの会 情報配信希望」として、
1.お名前
2.電話番号
3.住所
4.動機や関心
を明記の上、 メール(info@setagaya-ldc.net)にてお申込みください。
ご連絡内容を確認し次第、担当者から改めてご連絡いたします。