8ミリフィルムのアーカイブ・プロジェクト「穴アーカイブ」。
その一環として、「せたがやアカカブの会」という定例会が今春から始まっています。
さて、いったいどんな活動なのでしょうか。

今回は、6月5日に開催された第1回目の様子を、せたがやアカカブの会・世話人の松本さんがお届けします。
ちなみに今後の「アカカブの会」のレポートも、世話人の方が月替わりでご報告していく予定です。

 

vol.1で取り上げたのは、昭和42年9月の都電(銀座〜帝国ホテル〜築地)、
及び、44年5月の東急玉川線・世田谷線(三軒茶屋)が記録された計3分の映像です。

 

 


<step 1 みいる>


まずは、大きなスクリーンに映し出された映像を、繰り返し鑑賞します。

 

1回目はじっくりと。2回目以降は巻き戻し、スロー再生、一時停止をおり交ぜながら。
徐々に目が慣れ、いろんな気づきや発見がでてきます。

 

 

(昭和42年9月15日 朝日新聞 東京都心版)。


 

<step 2 しるす>


次に、シーンごとに何が映っているのかをポストイットしていきます。

 

vol.1で取り上げた映像を分解すると、15のシーンに分かれます。
いろんな気づきや発見は、文字となって、シーンごとに貼られていきます。

 

例えば、
「交差点の後方に『エンゼル』の看板」
「人力タクシーが走っている」
「都電車両に日章旗が2本。撮影日は祝日か」
などなど。

 

 

  (昭和42年9月15日 読売新聞 三多摩都民版)。

 

<step 3 はなす>


そして、シーンの順番に沿いながら、記した内容をそれぞれが説明します。

 

同じシーンでも、各参加者の着眼点はまったく異なっていることも多く、それが大きな発見の共有へとつながっていきます。
また、「何が映っているのか」にこだわりながら映像を観ていくと、おのずと「そこに映っていないもの」についても話題が及びます。

 

例えば、三軒茶屋の交差点にあった、詰め所の話。

 

当時は路面電車の線路の切り替えは、詰め所の職員さんの人力で行われていました。
参加者の友人がそば屋のアルバイトをしていた頃、その詰め所に出前を届けることがあったそうです。
しかし、自転車の車輪が線路にはまってしまい、あえなく転倒。
交差点にぶちまけられたそばを、詰め所の駅員さんと一緒になって大慌てで拾い集めたらしい、とのことでした。

 

 

 

  (昭和42年9月15日 読売新聞(夕刊) 大阪版)。



<step 4 かえる>


最後に、シーンを1つだけ選び、それにまつわる「モノ」を次回に持参します。

 

さてさて、どんなものが持ち寄られてくるのでしょうか。
vol.2から参加希望の方は、ぜひその光景を楽しみにご来場ください。

 

 

  (昭和42年9月15日 読売新聞 大阪市内版)。



なお、撮影日当日の新聞(東京版・大阪版)、当時の地図も掲示しました。

 

次回は、昭和36年に撮影された「井の頭公園」(4分)を取り上げます。

ぜひ皆さまのご参加をお待ちしています。

 

(せたがやアカカブの会・世話人 松本)

 

 

以上、アカカブの会・世話人の松本さんからのレポートでした。
「せたがやアカカブの会」の活動が、少し分かってきたんじゃないでしょうか?

 

今後も、定期的にアカカブの会のレポートを順番でお届けする予定です。
どうぞお楽しみに!

 

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■次回告知

鑑賞会&ワークショップ
せたがやアカカブの会vol.2

 

日時:7月13日(水)19:00 – 20:30

場所:生活工房ワークショップルームB(三軒茶屋・キャロットタワー4F)

参加費無料

 



「せたがやアカカブの会」とは、本取り組みでデジタル化・公開した8ミリフィルムをあらためてじっくり観ながら、
それぞれの視点から語り合う、小さな集いの場です。

 

 

先月のアカカブの会(vol.1)では、昭和42年の都電(銀座〜帝国ホテル〜築地)、
44年の東急玉川線、世田谷線(三軒茶屋)のデジタル化映像(計3分)を、じっくりと鑑賞し、そこに何が映っているのかをみていきました。

 

 

今回は、昭和36年に撮影された「井の頭公園」を鑑賞します。
4分ほどの短い映像ですが、しっかりと「ゾウの花子」の姿も記録されています。
さらによく見てみると、街なみやバスの形、服装や仕草も今とは少し違うようです。

 

前半に前回の映像(vol.1)の振り返り鑑賞&ワークショップ、後半に「井の頭公園」の鑑賞&ワークショップを予定しています。
参加者それぞれの観点が交わることで、みえないものがみえてくる。
それがアカカブの会の面白さ。皆さん、ふるってご参加ください。

 

 

せたがやアカカブの会とは?

 

かつての世田谷を記録した映像を手がかりに、いま・ここにいる私たちと映像との関係を結びなおす試みです。
映像をきっかけとして紡ぎ出された記憶や想像の断片は、記録として残し、穴アーカイブの成果として公開・発表していく予定です。

今年度は、昨年度にデジタル化した映像の蔵出し鑑賞&ワークショップを定期的に開催しています。
開催情報は生活工房ホームページの他、メーリングリストでも配信しています。
一見さん大歓迎。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

 

メーリングリストへのお申込み方法

 

件名を「せたがやアカカブの会 情報配信希望」として、

1.お名前 
2.電話番号 
3.住所 
4.動機や関心

を明記の上、 メール(info@setagaya-ldc.net)にてお申込みください。
ご連絡内容を確認し次第、担当者から改めてご連絡いたします。