映像のフィールドワーク・ラボvol.1「ひもをうむ」は、7月1日と15日の全2回のワークショップ。
http://www.setagaya-ldc.net/program/374/
初日集まった参加者たちはまず、「ひも」をつくる世界各地の映像を観ました。
巨大な竜舌蘭の葉をこそげて真っ白な繊維を採り出すコロンビアのアルファコ族や、ココヤシを削って繊維を晒して糸をつくるポリネシアの人々の姿。
まるで女性の髪のような美しい亜麻の繊維をほぐし、太い綱にしていくヨーロッパの人たち。
半世紀前の人々の営みが眼前にいきいきと映し出され、そのてきぱきとした仕事に驚かされます。
映像を観たあとは、実際にその同じ作業を「やってみる」のが、このワークショップ。
会場に広げられた巨大な竜舌蘭(東京都夢の島熱帯植物館にご協力いただきました)を映像のようにこそげてみたり(参加者のアイディアで料理用のヘラやスプーンも使用!)、
ブンブン回すと紐がなわれていく木製の小道具(通称ブンブン)を使って長い紐を作ったりと、思い思いにひもを作って過ごしました。
2日目は、ミクロネシアのひとたちの綱づくりの映像の通りに、天井から下げられた三本の紐をよりあわせて綱にしたり
「サンワー村のひもづくり」という参考映像に出てくる道具を使用し、長い長い紐づくりもしました。
この企画は、映像が先生。
「つながり」ということばは使い古されて感じますが、企画担当はあらためて、この企画を通して「つながり」ということを考えました。
人間はいままで、手から手へ、自分たちの営みをつないできた。近年はもうそれが難しくなっている。しかしそのぶん、このような「映像」という形で伝え残すことができるのが、人間のすばらしさ。
観るだけではわからないこと、やってみよう。そうすれば、営みはつながっていく。
最後に、参加された方たちの感想を一部抜粋いたします。
「体と頭は両方セットで使わなきゃいけないことがよくわかりました」
「映像を観ているようで観ていない、ということがよくわかりました。実際にやってみないとわからない」
「ふだん自分たちの目の前にそろっているものがいかに均質化されているか分かった」
「実際にやってみることで、映像を観る解像度があがり、そして日常のなかでものを見る解像度も上がった気がする」
「みんなで知恵を出し合いながらものづくりに熱中すること、すごく楽しかった」
「自分の中の縄文の部分が刺激された」
などなど…!「やってみた」手ごたえは、十分だったようです。参加者の方々がまた誰かに伝え、つながっていくといいなあ。
映像のフィールドワーク・ラボ第2弾は「こな、ねる、たべる」と題し、11月に開催。
第3弾は3月に開催予定です。ぜひご参加ください。