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レポート | 「アメリカン・トイズ」展レポート | 世田谷文化生活情報センター 生活工房

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「アメリカン・トイズ」展レポート

玩具を通して見る、激動の20世紀

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玩具の材料やデザインの変遷フィッシャー・プライスを例に

1930~40年代は木製が中心です。なかでも数多く生産されたプルトイは、子どもが何かを引っ張っているという感覚が重要なので、玩具本体に適度な重さの木材が使用されました。

木製玩具は木に直接ペイント(着色)して製造するのが一般的でしたが、フィッシャー・プライス トイズの場合、図柄をプリント(印刷)した紙を貼り付ける方法を採用していました。そのため色彩がとても鮮やかで、細かな模様もはっきりとしています。またこの方法により、大量生産が可能となって価格を抑えることができ、より多くの家庭の子どもたちへと玩具を届けることができるようになりました。

下の写真の一番手前に映る玩具はフィッシャー・プライス トイズのプルトイを代表する、大ヒット商品です。この白と黒のブチ模様のタイプは1938年に第1号が販売され、1955年までほぼ同じタイプで生産され続けた初期モデル。その後の1961年には茶色と黒のブチ模様の改良型が生産されましたが、時代が変わっても同様に人気を博しました。

写真手前:Snoopy Sniffer 1938年

続いて1950年に発売され大ヒットした「Buzzy Bee」からミツバチシリーズが生まれます。注目ポイントは最初の「Buzzy Bee」で羽根の回転部分に初めてプラスチックが使用されたことです。

こちらは1956年販売の、シリーズ2番目のプルトイ「Queen Buzzy Bee」。ミツバチから女王蜂に代わり、新たにプラスチック製の冠が付けられました。

このシリーズは手頃な可愛い大きさと楽しい動きで大人気となりました。その成功により、これ以降、木・紙・金属・プラスチックなど、複数の材料をうまく組み合わせた、新たな形式の玩具が次々と開発されるようになります。1970年代以降、木製玩具は一部をのぞいてほとんど生産されなくなり、プラスチックやゴムなどが主たる材料となりました。

Queen Buzzy Bee 1956年
ミツバチシリーズの並ぶショーケース

玩具のモチーフに目を転ずると、ラジオやテレビ、アイロンやカメラ、ビデオカメラなど、子どもたちの身の回りにある生活用品が多く用いられていることが分かります。アメリカの工業技術の革新や経済の繁栄、人々の暮らしの変化が、玩具にも色濃く映し出されていることが見てとれます。

「Chatter Telephone」は1962年に販売されたダイヤル式電話のプルトイです。本体が木製、部分的にプラスチック製という、1960年代初頭の特徴を備えています。ちゃんとタイヤがついていて引っぱると目玉が上下しながらギィギィ音を出し、ダイヤルを回すとチリンと可愛いベルの音が鳴ります。

写真左:Chatter Telephone 1962年
クラシー
だんだん素材のバリエーションが増えてきたね!
カワルン
玩具の動きも豊かになっていくようだね。