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アウト・オブ・民藝
「民」から芋づる編 MINGEIのB面!

『アウト・オブ・民藝』の著者・軸原ヨウスケと中村裕太が、柳宗悦らの民藝運動の黎明期と、今日のライフスタイルとしての「MINGEI」との食い合わせを、「民」という文字から芋蔓っていきます。

会期:
2024年04月29日(月)~2024年08月25日(日)
時間:
9:00~21:00 祝・休日をのぞく月曜休み/入場無料
会場:
生活工房ギャラリー(3F)

1924年4月(ちょうど100年前)、柳宗悦は関東大震災を機に京都へ引越し、河井寬次郎や濱田庄司と仲良しになっていました。一緒になって朝市で丹波の古布を漁ったり、民間信仰に根ざした木喰仏の調査をしていました。そして、1925年12月、紀州の木喰調査の道中で「民藝(民衆的工藝)」という言葉を生み出します。その当時、主に農村や漁村で暮らす人々に向けられた「民」という文字は、民藝に限らず、一般に流布していた民衆藝術、民俗藝術、民謡をはじめ、ウィリアム・モリスの『民衆の芸術』(原題:The Art of the People)、柳田國男の民俗学、富本憲吉の民間芸術、山本鼎の農民美術運動、今和次郎の平民工芸などさまざまな場面に登場してきます。そのため、それらの言説のなかで民芸品、民具、郷土玩具、農民美術などに向けられる眼差しも複雑に絡み合っています。いったい彼らは「民」に何を見出していたのでしょうか。

 

本展では、『アウト・オブ・民藝*』の著者であるデザイナーの軸原ヨウスケと美術家の中村裕太が、柳らが夢中になって民芸品を蒐集していた黎明期の民藝運動と、今日のライフスタイルとしての「MINGEI」との食い合わせを「民」という文字からひも解いていきます。会場では、主に1910年代から40年代の新聞や雑誌などの出版物をはじめ、彼らの日記や書簡などを時間軸に沿わせた「アウト・オブ・民藝の芋蔓年表」を設えます。こうした「民」にまつわる文献や物品を芋蔓っていくことで、「MINGEI」とはひと味違ったB面!を掘り起こしていきます。

 

*アウト・オブ・民藝は、軸原ヨウスケと中村裕太が行う「民藝」の周辺をめぐるリサーチ活動です。リサーチの対象となるのは、民藝運動発足当時に起きていたさまざまな工芸運動、それらにまつわる人、物、出版社などのネットワークです。


Out of MINGEI | Dig up the Folk, The B-side of MINGEI!

In April 1924 (exactly 100 years ago), art critic and philosopher Soetsu Yanagi was compelled by the Great Kanto Earthquake to move to Kyoto, where he became good friends with potters Kanjiro Kawai and Shoji Hamada. The three joined together to hunt for reusable Tamba cloth at morning markets, study Mokujiki Buddha sculptures, which are rooted in folk beliefs, and take part in many other similar activities. They also coined the term “MINGEI” (folk crafts) on the way to research Mokujiki in Kii Province (present-day Wakayama Prefecture) in December 1925. 

The Japanese character “min” (folk), which at that time mainly referred to people living in rural farming and fishing villages, appears not only in “MINGEI,” but also in a variety of other places, such as the terms for folk songs and popular and folk arts enjoyed by many people at the time. These include Minshū no geijutsu, the Japanese translation of The Art of the People by William Morris, the folklore studies of Kunio Yanagida, folk art by Kenkichi Tomimoto, the peasant art movement led by Kanae Yamamoto, and commoner crafts by Wajiro Kon. For this reason, discourses on these matters involve a complex tangle of perspectives on folk art, everyday folk tools, folk toys, peasant art, and similar. What exactly did these figures see in the concept of “folk”?

At this exhibition, the authors of Out of MINGEI*, designer Yosuke Jikuhara and artist Yuta Nakamura, work to separate the mingei movement at its dawn, when Yanagi and his friends were immersed in collecting pieces of folk art, from the current concept of “MINGEI” as a lifestyle, beginning with the character for “folk.”

The exhibition space will feature an Out of MINGEI “Potato Vine” Timeline with magazines, newspapers, and other publications mainly from the 1910s to the 1940s, as well as diaries and letters written by the above-mentioned artists, arranged along a timeline. Going through these documents and objects related to “folk” one by one, like digging for potatoes, will allow us to uncover a different aspect—the B-side—of “MINGEI.”

*Out of MINGEI is a research project by Yosuke Jikuhara and Yuta Nakamura that focuses on the wider world of “MINGEI” folk crafts. Their research looks into the various craft movements that emerged at the beginning of the mingei movement, as well as the vast network of people, objects, and publishers involved in these movements.

 

 

プレス関係の皆さまへ

 こちらからプレスリリース・展覧会チラシがダウンロードできます

プレスリリース PDFファイル(2.1MB)

展覧会チラシ JPGファイル(1.3MB)

展覧会チラシ PDFファイル(3.7MB)


 

 

世田谷区内の書店で「アウト・オブ・民藝」のブックフェアを開催中です。


nostos books

〒157-0073 東京都世田谷区砧5-1-18 102号室
TEL:03-5429-6969
https://nostos.jp/

 

twililight(~6/15)
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂 4-28-10 鈴木ビル3F・屋上
https://twililight.com/

  *フェア終了後も『アウト・オブ・民藝』のお取り扱いをしています


本屋 B&B~8/31まで延長しました
〒155-0033 東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F
TEL:03-6450-8272
https://bookandbeer.com/


 

 

●こちらもあわせてお楽しみください。


世田谷美術館 「民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある」

2024年4月24日(水)~6月30日(日)

https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

 

 

目黒区美術館 「生誕130年 武井武雄 幻想の世界へようこそ」
2024年7月6日(土)~8月25日(日)

https://mmat.jp/index.html

トークイベント「武井武雄のネットワーク」

日時:8月24日(土)15:00~16:30

武井武雄の人的なネットワークを立体的な相関図に仕立てた軸原ヨウスケと中村裕太。アウト・オブ・民藝から見たそのネットワークの見どころを語り合っていくなかよしトーク。

 

 


『アウト・オブ・民藝』2019年/誠光社

Out of MINGEI 2019/Seikosha

 


写真:高見知香

 


写真:高見知香



プロフィール


写真:高見知香

 

左:軸原ヨウスケ(デザイナー)
1978年生まれ。デザインユニットCOCHAE(2003年~)のメンバーであり、デザイナー。こけしをはじめ、郷土玩具に興味を持つ。

右:中村裕太(美術家)
1983年生まれ。京都精華大学芸術学部准教授。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。


関連イベント

アウト・オブ・民藝のなかよしトーク

一般公開に先立ち、本展を手がけた軸原ヨウスケと中村裕太が「民」という文字からお互いにどのような文献を芋蔓ってきたのかを仲良く語り合います。(*プレス取材が入ります)

 

日時:4月28日(日)15:00~16:30

会場:生活工房ギャラリー

講師:軸原ヨウスケ(デザイナー)、中村裕太(美術家)

参加費:無料

定員:先着40名

申込方法:当日直接会場へ


アウト・オブ・民藝の芋蔓まつり

「民藝の100年」展(東京国立近代美術館、2021年)を企画された花井久穂さんとのトーク、田口史人さんによるレコードで聴く「民(衆)」とは?、京都の焙煎家オオヤミノルさんのコーヒーを飲みながら、「アウト・オブ・民藝」が掘り起こした芋々を味わいます。

 

日時:6月15日(土)13:00~18:00

会場:生活工房ギャラリー、ワークショップルームAB

講師:花井久穂(東京国立近代美術館主任研究員)、田口史人(リクロ舎)、オオヤミノル(オオヤコーヒ焙煎所)、軸原ヨウスケと中村裕太

参加費:500円(入退場自由/ドリンク代別)

定員:先着70名

申込方法:4月25日10:00より表示される下の申込フォームからお申し込みください

※定員に達したため、参加申込の受付を締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました


アウト・オブ・民藝 vs 新しい骨董のブリッジトーク

9月3日から生活工房で展覧会を開催する山下陽光さん(リメイクブランド「途中でやめる」主宰)、「新しい骨董」のグループメイト下道基行さんをお招きし、アウト・オブ・民藝から新しい骨董へと芋蔓ります。

*オンライン参加予定だった下道基行さんの登壇が決まりました(2024.8.18)

 

日時:8月25日(日)14:00~16:00

会場:生活工房ギャラリー、セミナールームAB

講師:新しい骨董(下道基行、山下陽光)、アウト・オブ・民藝(軸原ヨウスケと中村裕太)

参加費:500円

定員:先着100名

申込方法:7月25日10:00より表示される下の申込フォームからお申し込みください


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主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房

企画制作:軸原ヨウスケと中村裕太

助成:京都精華大学 芸術表現助成

後援:世田谷区、世田谷区教育委員会