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三軒茶屋・大三角地帯展 ~ひらき、ひもとく記憶と記録

EVENT 2 「自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ」 / 3 「日記を書く|日記ワークショップ」

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戦後の闇市をルーツにもつディープなスポットとして知られる三軒茶屋の三角地帯。生活工房ギャラリーでは2026年1月から3月にかけて、「三軒茶屋・大三角地帯展」を開催し、「三軒茶屋の記憶と記録」を募る現在進行形のプロジェクトとして更新を重ねていきました。

このレポートでは、展覧会の関連イベントとして行われた二つのワークショップを紹介します。

前半は、「年表作成者」として知られるパンスさんを講師に迎えた「自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ」。後半は、写真家の金川晋吾さんを講師に招いた「日記を書く|日記ワークショップ」です。 年表や記録から、街と自分の記憶をたどること。日記を書き、読み合うことで、その日、その人の街の記憶を見つめること。街と“記録と記憶”が重なることで、一人ひとりの思い出が少しずつひらかれていく。そんな二つのワークショップの記録です。

展覧会
会期:
2026年1月20日(火)~3月22日(日)
時間:
9:00~21:00 月曜休み(祝日は除く)
会場:
生活工房ギャラリー(3F)
ワークショップ
自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ
開催日:
2026年1月31日(土)
時間:
13:00~15:00
集合・実施場所:
生活工房ギャラリー
講師:
パンス(年表作成者、ライター)
パンス
パンス(ぱんす)

文筆業/DJ/年表作成者。根っからの年表好きが高じて1968~2020年までの社会・文化史をまとめた『年表・サブカルチャーと社会の50年』を発売。最近は主に東アジアのインディペンデントな音楽シーンを追いつつ、日本も含む近代文化史の調査を行っている。単著『「いまどきの若者」の150年史』(ちくまプリマー新書)が3月に刊行された。
https://x.com/panparth?s=20

「自分史」は
自分のこれまでの歴史。

じゃあ「日記」は
一日分の歴史かな?

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自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ
街の景色をつくる「風俗史」でチェーン店の歴史を考える

会期中の2度目の週末に行われた「自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ」。講師は「年表作成者」として知られるパンスさんです。

生活工房ギャラリー内のテーブルに集った20名ほどの参加者の手元には、「三軒茶屋の歴史」と「都市の風俗史」が並列になった年表シート。まずはふたつの「歴史」についてパンスさんがお話しします。

パンス(年表作成者・ライター)パンス

個人店が減って寂しいという声もありますが、今の方々は誰もがカラオケボックスやチェーンの居酒屋で色んな思い出や、青春を残してきました。私もそうです。だからこそ街の歴史の「正史」では光のあたらないチェーン店の歴史を年表にしたいと考えていました。

そこで作られたのが、「都市の風俗史」。戦後の日本の都市に影響を与えた出来事や、時代ごとに流行した業態、そして全国に広がっていったチェーン店の出自をたどった年表です。三軒茶屋の年表と、この「風俗史」。影響しあう二つの歴史を行き来しながら、前半のレクチャーは進みました。

その最初のトピックとなったのは「酒の歴史」です。

自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ/街の景色をつくる「風俗史」でチェーン店の歴史を考える
年表1

三軒茶屋の飲食店街としてのルーツは、戦後の闇市。ちょうど同じ時期に、日本の街では「スナック」も登場してきました。

パンス(年表作成者・ライター)パンス

これが一番最初のスナックだという記録は残ってないんですが「もはや戦後ではない」という流行語の生まれた1956年には始まっていたそうです。戦前にあった「カフェ」のように隣席でサービスするのではなく、カウンター越しに接客する形態です。その後の高度経済成長期には、女性でも開業しやすいスタイルとして定着していきました。

自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ/街の景色をつくる「風俗史」でチェーン店の歴史を考える

そして、時代とともに居酒屋チェーンが登場して「酒を飲む場所」も増えていきます。「養老乃滝」や「天狗」は早期からありましたが、80年代に「白木屋」などを運営するモンテローザが登場。バブル景気と相まって一気に盛り上がります。

労働者が仕事後にひそやかに杯をあおる「居酒屋」が、学生が集団で気軽にいける場所に。洋風の設えも一般的になって、宴会しやすいカジュアルな場として、女性も気軽に入り浸れるようになったのです。

パンス(年表作成者・ライター)パンス

現在60代くらいの方が学生だったぐらいの頃と思いますが、若者は人の家に集まって飲むのが普通だったのが、みんなで訪れて飲める『店』という場所ができたんですね。

さて、変化は酒に限ったことではありません。その前後の都市の変遷を抜粋してみます。

年表2

海外発のファストフードや、チェーン喫茶店、ファミレスなど、今の私たちに身近な「チェーン店」がどんどん街に登場してきました。

当初はスナックに導入されていたカラオケが、80年代後半には独立し、「カラオケボックス」がブームに。1990年に開店して現在もつづく「ビッグエコー三軒茶屋駅前店」はビル全体を個室で運営する「ビルインタイプ」の店舗の先駆けだといいます。

また、ドトールコーヒーショップの「三軒茶屋2丁目店」も1990年にオープン。チェーン店の開業時期というのはなかなかオープンな記録になっていないもので、パンスさんは直接本社に問い合わせたそう。

パンス(年表作成者・ライター)パンス

年表作りの性(さが)なのか、気になってくると日付まで全て特定したくなってくるものです。窓口からしたら、ちょっとあやしいユーザーかもしれませんが丁寧にお返事をいただけました(笑)

自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ/街の景色をつくる「風俗史」でチェーン店の歴史を考える
自分史をひもとく|年表+事典ワークショップ/街の景色をつくる「風俗史」でチェーン店の歴史を考える

そうして日本の都市の変遷と、三軒茶屋の街の変化を見比べていきました。ちなみに80年代には雑誌「東京人」をはじめとする東京ブームも。東京の文化的価値を発見する動きの中で「三角地帯」という固有名詞も生まれたとされています。

クラシー・カワルン
クラシー
いまは当たり前にあるチェーン店も、最初はなかったんだね
カワルン
カラオケボックスもそうなんだねー

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