- 開催日:
- 2026年3月7日(土)
- 時間:
- 18:00-21:00
- 集合・実施場所:
- 生活工房ギャラリー
- 講師:
- 金川晋吾(写真家)

写真家。1981年京都府生まれ。父や伯母という身近な他者や、婚姻や血縁で結ばれていない他者との共同生活を題材に、写真と言葉を通して、人間の分からなさや自己と他者の関係のあり方を問い続けている。2022年から日記屋 月日でのワークショップ「日記をつける三ヶ月」のファシリテーターをつとめている。
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日記を書く|日記ワークショップ
一人ひとりの街との関係、日記との関係
二つ目となるワークショップの記録は、会期終盤の3月7日、写真家の金川晋吾さんを講師に招いた「日記を書く|日記ワークショップ」です。18時に集合して夜の三角地帯を散歩し、日記を書いて、互いに書いたものを読み合う会。街歩きに出かける前に、まずは参加者全員で円になって座り、自己紹介から始めました。
自己紹介の時間は、ワークショップに参加した理由、三軒茶屋という街との関わり、そして日記への思いを一言ずつ交わしていきました。
まずはじめに、金川晋吾さんの自己紹介からスタート。金川さんは「日記をつける」行為を表現活動のなかで大切にしていて、さまざまな場所でワークショップも開催しています。
以前、世田谷パブリックシアターのプロジェクトで、下馬の団地で暮らすお年寄りの方々と『だれでも写真クラブ・極楽』という活動をしていて、そのときも日記を読み合う場をつくっていました。三角地帯は数年前に友達に連れてきてもらったときに「こんな場所があるんだ」と知って、まだあまり知らない場所です。
続いて、参加者の方々の自己紹介へ。「ブラタモリ」を見て三角地帯に興味を持った方、3月で東京を離れるため、その前に街の記憶を刻みたい方。近所に住んでいながら三角地帯には足を踏み入れたことがなかった方、お酒を飲まないため夜の賑わいを知らなかった方。岡山から上京したばかりの方、三軒茶屋に描かれたグラフィティを撮影・分類している方……。三軒茶屋の街に対するイメージも距離も、本当に多様です。
「キャロットタワーができたとき、父と展望台から街を眺めたのが楽しかった。学生時代もシアターに通ったりと、自分にとって繋がりのある場所です」
「かつての三角地帯はもっと広くてカオスで、大人の街という印象にドキドキしていた。姿を変えていく今だからこそ、その空気感を記憶に残したい」
日記というテーマについても、さまざまな思いが語られました。退職後に手帳を買ったものの空白が続いてしまい、もう一度書く習慣を取り戻したいという方。子どもの頃以来書いていないため、今の自分が何を書くのかを楽しみにしている方。また、過去に同様の日記ワークショップに参加して、他者との視点の違いにおもしろさを感じた経験から参加した方も。
初対面同士がこうして集まって、個人の背景を分かち合う時間自体、とても稀有な経験です。それまで静かだった会場も、言葉を重ねるうちに段々と空気があたたまってきました。
これから散策する三角地帯を地図で確認したあと、いよいよ夜の街へとみんなで繰り出します。まずは、三角形のちょうど頂点の位置にある「ビッグエコー」へ。そこから、最初の通りであるアーケード街「エコー仲見世」に向かいます。『大三角地帯展』にも大きな協力を寄せてくれた村上大輔さん(エコー仲見世事業部長)が営む器店「絵れ菜」があるこの通り。店先に立ち寄ると、「このあたりは夜が一番雰囲気がいいので、散歩を楽しんでくださいね」と送り出してくれました。
細い路地を抜け、飲食店が数多く立ち並び、お酒を飲む人たちで賑わう「ゆうらく通り」「三茶3番街」へと足を進めます。
「昔はもっとカオスでしたよね」
「この店は昔からある気がする」
さっきまで初対面だった参加者同士も、街の風景を見ながら話が弾んでいる様子です。目的地に向かって急いでいるときには見落としてしまうような路地の細部には、戦後闇市から続く街の記憶が色濃く残っていることに気づかされます。
さらに奥へと進んでいきます。「三茶小路飲食街」は、スナックやバーが密集し、古い看板が残るゾーン。建物と建物のあいだに迷路のように広がる小道を抜けていくときには、「まるでテーマパークに来たみたい」という声もあがりました。
銭湯「千代の湯」がある通りから、「駒の湯」まで歩いて行ったところで、参加者の方から
「ここにも三角がありますね!」
という声が。なんと、駒の湯のコインランドリーの形も三角形でした。
今日の散歩はここまでにして、世田谷通り沿いを歩き、かつて映画館だった「カラオケベスト10」の前で集合し、生活工房ギャラリーに戻りました。たった30分間の夜の散歩でしたが、日常とは異なる観光客のような眼差しで街を歩く、特別な経験になりました。
- クラシー
- いつもの街も視点を変えると発見がいっぱいあるね
- カワルン
- どんなことを日記に書こうかなぁ

