2020 年の「今ばなし」が、いつか未来の「昔ばなし」になる
人が集まることを避けなければいけない現在。生活工房では、第6 回世田谷区芸術アワード“飛翔”を受賞した「あの海は山のよう」主宰の椎木彩子さんとともに、メールと手紙で進める遠隔プロジェクトをはじめます。
本プロジェクトでは、2020 年秋に開催する受賞作品展に向け、5 月~ 8 月(予定)にかけて写真・詩・ものづくり・身体のワークショップをメールと手紙を通じて行い、現在の暮らしを未来に伝える物語を紡いでいきます。
展覧会ではそれらの過程で生まれた言葉や作品とともに、椎木さんが本プロジェクトのために描いた絵本原画を発表予定。ぜひ、ご自宅からご参加ください。
〇基本情報
講師:あの海は山のよう 椎木彩子(美術作家・イラストレーター)
対象:小学4年生以上~大人
条件:メールとインターネットを使える方
定員:5名(抽選)
参加費:無料
申込:5月18日(必着)までに下記の申込フォームより =しめきりました=
〇活動スケジュール
5/18(月):申込〆切
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5/22(金):抽選結果通知&第1回「いつか会う人へ手紙を書く」
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5月下旬:第2回「詩を書いて物語を抽出する」
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6月頃:第3回「言葉を動きに、動きを音に」
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7月頃:第4回「顔(像)を作る」
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8月頃:第5回「ワークショップの体験を経て再び詩にする」
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10月下旬:展覧会で発表
*活動スケジュールは変更となる場合があります。
<昔ばなしに現れる妖怪や不思議な出来事は本当にあったのではないだろうか?>
「今ばなし」を昔ばなしのようにロマンやユーモア、喜怒哀楽、未来の人に伝えたい想いを加えて、人々と一緒に作る。それが10年20年経てば新しい「昔ばなし」になるのではないだろうか。
インターネットが当たり前の時代になり合理化が進み地域の人が集まって話す機会は中々難しい現状だと思います。「自分が住んでいる町の今」を様々な年代の人が一緒に考えて物語を作ることは生活の中で必要のない無駄なことかもしれません。自分たちの町を知り想像を膨らませ記録する事は、思い入れを深め深い結びつきをつくると思います。
2019年秋、約7ヶ月前に立ち上げた企画書に書いた自分の文章を受けて、2020年4月下旬。あの時、地域の人どころか、人と人が密に会う事が疫害に繋がってしまう今を想像できただろうか。
私たちは今機会を得ている。祭りではない非日常の中にいるからこそ「生活」を静かに見る事ができる機会だ。皮肉にも先が見えないのだから、「今」そして「過去」を見つめる好機なのだ。いつかの未来の日まで。
5月から始まるテレワークショップは変容が求められる「人と会うこと」をテーマにしました。テレワークの特性を活かしメールやインターネットをご使用できる小学生4年生以上の方ならご参加いただけるようになっています。
SNSのような不特定多数の中での発信ではありません。少人数で丁寧に様々なツールで仕掛けを用意し、今、必要とされる無駄は何なのかを考えたいです。その経過の先に出会う「あなた」の顔を思い浮かべながら、それぞれの生活を探るようなワークショップです。
最終的にワークショップの成果物から発想して「今ばなし」を紙芝居のようなものに仕上げ、未来につないでいく計画を立てています。
よろしければぜひご自宅からご参加ください。
椎木彩子(あの海は山のよう)
〇プロフィール
2005年文化服装学院アパレルデザイン科卒業。イラストレーターの生業の傍ら、日本各地、台湾、韓国などで個展を開催し、近年は様々な人から言葉を採集して絵にする活動を行う。
平面作品の制作を軸にパフォーマンスなど、さまざまなジャンルと関わる活動名を「あの海は山のよう」とする。