天体の動きとともにめぐる季節、くりかえす昼と夜。
人間を含めた地球上のすべての生命は、自然の律動と同調しながら、それぞれのリズムを刻んできました。
しかし私たちの生活は、あまりにもその律動から遠く離れてしまっています。
24時間化する産業、明るい夜。比例しない時間と距離。季節を問わず手に入る食べもの。
これからさらに加速度を増して〈即時化〉〈高速化〉〈均質化〉する「時」に、私たちのこころとからだはついて行けるのでしょうか。
今私たちにできることは、「自然の中に流れる時間、体の中に流れる時間」に、折に触れ、手を伸ばすこと。
それは世界と直接かかわることであり、また自身を見つめることでもあります。
「時のフィールドワークショップ」では、フィールドに出かけていき、
ほかの命の「時」と出会い、かかわるワークショップを行います。
「時のドキュメンタリー上映会」では、地球上のさまざまな地で生きる人々の「時」を、記録映像を通して想います。
「時」はすでにときはなたれ、世界に悠然と流れています。
かかわること、想うことの中から新たな「時」を見つけ、自然とともにゆらぐ時間を取り戻していきましょう。
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時のフィールドワークショップvol.2「春の道ばたで、若菜摘む」
3月21日(土・祝) 10:00-15:30頃 生活工房4F(集合場所)、近隣の公園
「春が来た」――私たちにそう実感させてくれるのはいつも、道ばたに顔をのぞかせている草花の存在。
春分の日、花作家・かわしまよう子さんといっしょに出かけ、雑草について語り合いながら歩きます。
摘んだ草花を、春のごはんに仕立てましょう。季節とからだがひとつになる、春の時のワークショップです。
定員:15名(抽選) 参加費:2,500円(昼食代・保険料込)
申込:3月8日(必着)までに、いずれかの方法でお申込み下さい。
1.往復はがき(①お名前②電話番号③ご年齢を明記の上、〒154-0004 世田谷区太子堂4-1-1 生活工房「時」係まで)
2.このページ下段の申込フォームより
講師:かわしまよう子(花作家)
あるときは草を飾り、あるときは写真に写し、食にしたり薬にしたり、生き方の参考にしたりしながら、季節を追いかける自然愛好家。
2009年より沖縄に住まいを移し、現在は草の効能を自分の体で実験中。著書に『草かざり』・『草手帖』(ポプラ社)、『道ばたに咲く』(地球丸)ほか
時のドキュメンタリー上映会vol.2「移動の時」
3月28日(土) 14:00-17:00頃 生活工房4F
4月は多くの日本人にとって、年度の変わり目。この春、住まいを移す方も多いことと思います。
さて、世界のほかの人びとや動物たちは、どのようなタイミングで居住地や拠点を移すのでしょう。
雨季と乾季、川の氾濫、水や草を求めて、など、その理由はさまざまです。
かつての日本にも、木を求めて山を何十年も渡り歩く木地師のように、移動性の生活を送る人々がいました。
自然とともにゆらぎ動く生命を、映像で見ていきます。
定員:当日先着50名 参加費:800円 申込不要、当日直接会場へ
【上映作品】*ほか1作品を予定
●「ブッシュからブッシュへ 遊牧ソマリのキャンプの移動」(国立民族学博物館/2003年/19分)
ケニアなどで遊牧生活を送るソマリの人びと。ドーム状の家を解体し、家財道具はすべてラクダに載せ、水や草を求めて次のキャンプ地へ向かう。
●「ザンビアのクオンボカ」(国立民族学博物館・日本電波ニュース株式会社/15分/1988年)
ザンベジ川の氾濫原に住むロジ族は、川が増水してくると、王宮もろとも河畔の丘に移住する。
●「キルギス族の生活」(国立民族学博物館/10分/1980年)
シルクロードをかけめぐった騎馬民族の子孫。パミール高原の北部で、遊牧生活をいとなむ。
●「サーミ人のテント」(国立民族学博物館/16分/1995年)
北極圏の先住民族サーミ人。トナカイとともに移動する生活を支えてきた伝統的な住まいを紹介する。
●「奥会津の木地師」(民族文化映像研究所/30分/1976年)
山から山へ移動し、椀などの木地物を作る木地師。昭和初期まで福島県南部の山間地で移動性の生活をしていた木地師の家族による、当時の生活と技術の再現記録。
●「驚異の大移動」(ナショナル・ジオグラフィック・テレビジョン/50分/2010年)
水を求めて移動するヌーの群れ、産卵のため森と海とを行き来するカニ、4世代かけてメキシコとカナダを往復する蝶、一生に100万海里移動するクジラ。生きものたちの、命を懸けた地球大移動。
主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房
共同企画制作:セセンシトカ
映像資料提供:国立民族学博物館/民族文化映像研究所/NPO法人地球映像ネットワーク
後援:世田谷区