留学生たちは、日本で何を学び、何を感じ、考えているのか、知っていますか?
JAPONDER(ジャポンダー)は、留学生を通して世界の先端研究や社会的課題を学び、
私たちの暮らしを再考する企画です。
今年取り上げるのは、ルーマニアからの留学生イリナ・グリゴレさん(東京大学大学院)の文化人類学の研究です。
イリナさんは北東北や東京の獅子舞・獅子踊りについて調査し、
自らも獅子となって舞い、地域の中で実践的な研究を行っています。
研究テーマ「民族誌的フィールドワークにおけるカメラの利用:身体の一部としてのカメラ」は、
「映像」というメディアを用いて調査における言語の壁を超え、
伝統と現在とが融合した地域芸能の姿や、「文化を守る」という言葉の中に含まれる、
人間の生き方の内実を明らかにする試みです。
本展ではその研究を、青森県弘前市の松森町津軽獅子舞の装具や、
調査の記録映像も使った実験的な展示で紹介します(会期中一部展示替えあり)。
「JAPONDER(ジャポンダー)」とは、フランス語のJapon「日本」と英語のponder「熟考する、沈思する」との合成語で、
2005年の第1回JAPONDERに参加した留学生により名付けられました。
[留学生プロフィール]
イリナ・グリゴレ Irina Grigore
1984年ルーマニア生まれ。
2006年に1年間日本に留学し2007年に日本の獅子舞の調査をはじめる。
一時帰国後2009年に国費留学生として来日。
弘前大学の修士課程卒業後、東京大学の博士課程に入学。
研究テーマは北東北・東京における獅子舞・獅子踊りに関する人類学的研究、
前衛舞踊に関する人類学的研究、
民族誌的フィールドワークにおけるカメラの利用:身体の一部としてのカメラなど。