誰かとじっくり「対話」をしたことはありますか。それは、日常のありふれたコミュニケーション行為の一つだと思われるかもしれません。しかしその経験をあらためて思い起こしてみるとどうでしょうか。例えば、他人の体験談の中に自分を見つけて共感したり、人々の語りに触発されて自らの感情や言葉が引き出されたり、その場からユニークな発想が生まれる経験をした人も多いのではないでしょうか。
「対話」には、別々に存在している〈わたし〉と〈あなた〉の分け目を揺るがし、多面的な自らの思いを発見させ、自分一人では辿り着かない新たな地平に導くような不思議な効能があるのかもしれません。
近年、学校・企業・カフェなどで開かれる「哲学対話」、精神医療のケア手法として拡がる「オープンダイアローグ」、刑務所の更生プログラムとして導入されている「回復共同体」など、既存の枠組みでは進展の難しい状況に多声的対話を取り入れることで、事態を好転させるような実践的取り組みが注目を集めています。また芸術分野では、聞く・語ることを重視し、それらが引き起こす生きた相互作用や変様をつぶさに編み込む手法を取り入れた新時代の映画・演劇・ダンス作品などが高い評価を得るなど、私たちの日常生活における「対話」の可能性が再認識されています。
本企画は、「対話」を中心に据えた多様なアプローチの実践者とともに、〈わたし〉と〈あなた〉のあわいから生まれる「対話」の効能について学び体験するセミナーです。誰にでも開かれた日常行為である「対話」が、自己を更新し、新しい視点や関係を創造する可能性について考えます。
2月19日(日) 「哲学対話」河野哲也[哲学者]
2月23日(木・祝)「オープンダイアローグ」斎藤環[精神科医]
3月 4日(土) 「回復共同体」毛利真弓[臨床心理士]
3月19日(日) 「まあたらしさに出会うとき」伊藤亜紗[美学者]× 濱口竜介[映画監督]
ファシリテーター
山内泰 Yamauchi Yutaka
1977年生まれ。NPO法人ドネルモ代表理事。一般社団法人大牟田未来共創センター(通称:ポニポニ)理事。株式会社ふくしごと取締役。東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。芸術工学博士(美学)。地域で対話の場づくりに取り組む一方で、問いと対話のメディア「湯リイカ」(主催:ポニポニ)などさまざまな有識者との対話企画をコーディネート。主な論文掲載に『デザインに哲学は必要か』(共著、武蔵野美術大学出版)、「『わたしの役柄』が表現すること 哲学者・國分功一郎さんとの対話から」(「精神看護」23巻4号、医学書院)など。
プレス関係の皆さまへ
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【追加募集について】
1月24日に追加したお席につきましても、すべて満席となりました。
たくさんのお申し込みをいただきまして、誠にありがとうございました。
なお、各日キャンセル待ちは行っておりません。
(2023年2月10日)
[満席] 2/19(日)13:00-15:00「哲学対話:河野哲也(講演のみ)」参加費:1,000円
[満席] 2/23(木・祝)13:00-15:00「オープンダイアローグ:斎藤環(講演のみ)」参加費:1,000円
[満席] 3/19(日)14:00-16:00「まあたらしさに出会うとき:伊藤亜紗×濱口竜介(トーク)」参加費:2,000円
※3/4(土)「回復共同体」については、追加募集はございません。