まちの学び舎で過ごす哲学の夜
PARADIGM SHIFT(パラダイム・シフト)、それは当たり前と思っている考え方がガラリと劇的に変わる体験のこと。
本企画は、哲学者との対話から、日々の生活にPARA SHIF(パラシフ)を起こすことを目指す、大人のための哲学ゼミナールです。
古くから哲学者たちは、社会の問題や構造を見つめ、人々の“当り前”を塗り替える新たな概念(ものの見方)を提示してきました。
概念を学ぶことは、日常の中に新たな視野を獲得することであり〈既知〉を〈喜知〉へと変えてゆく力を身に着けることでもあります。
PARA SHIFで自分の世界観をアップデートし、あなたの中に“日常事変”を起こしてみませんか。
PARA SHIF(パラシフ)に寄せて
大昔、古代ギリシアの哲学者は「哲学の始まりは驚きだ!」と言いました。
驚くというのは、自分が目撃したものを「当たり前」と思って片付けることができない時に現れる心の状態です。
哲学の始まりが驚きならば、哲学者とは驚くことの専門家なのだ、とも言えるかもしれません。
でも、誰にでも驚くことがあるのではないでしょうか? そう、誰でも驚きます。
ということは誰でも哲学の始まりには触れることができるのです。
哲学者と呼ばれてきた人たちに何か違いがあるとしたら、それは彼らが驚きをずっと維持して、「うーん」と悩み続けたことです。
実に長い間驚きを維持することで、哲学者たちは様々な概念を生み出してきました。
哲学者は概念を生み、そして概念によってその驚きがもたらした問題に答えようとするのです。
すると概念には、「当たり前」と言って片付けられてしまうものを、当たり前でなくする力があることになります。
それは驚きを何らかの形にしたものなのですから。
このゼミナールは講師の案内のもと、そんな概念の生き生きとした姿に触れながら、
日常の様々な問題について考える手がかりを得るための場です。
國分功一郎
國分功一郎(こくぶん・こういちろう)
1974年生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は、スピノザ、デカルトなど17世紀ヨーロッパ哲学と、ドゥルーズ、フーコー、デリダなど20世紀フランス哲学。2011年に刊行した『暇と退屈の倫理学』(太田出版)が、人文書として異例のベストセラーに。最新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)では、「意志」や「依存」などを出発点に古代言語の文法を論じ、小林秀雄賞を受賞。Eテレの哲学番組『哲子の部屋』の監修・出演やテレビ朝日『報道ステーション』のコメンテーターをつとめるなど、鋭い視点で現代の問題を論じることができる今最も活躍する哲学者のひとり。
《哲学対話 PARA SHIF パラシフ[中動態]》
《哲学対話 PARA SHIF パラシフ[自由]》