PARADIGM SHIFT(パラダイム・シフト)、それは当たり前と思っている考え方がガラリと劇的に変わる体験のこと。本企画は、哲学をめぐる対話から、日々の生活にPARA SHIF(パラシフ)を起こすことを目指す、大人のためのゼミナールです。古くから哲学者たちは、社会の問題や構造を見つめ、人々の“当たり前”を塗り替える新たな概念(ものの見方)を提示してきました。概念を学ぶことは、日常の中に新たな視野を獲得することであり、〈既知〉を〈喜知〉へと変えてゆく力を身に着けることでもあります。PARA SHIFで自分の世界観をアップデートし、あなたの中に“日常事変”を起こしてみませんか。

 

日時:2021年3月27日(土)・28日(日)14:00~17:00
参加費:各日3,000円
定員:20名(抽選)
対象:18歳以上の方
会場:生活工房ワークショップルームB


●3月27日(土)翌日の医者
人は「強烈な出来事」について多くを語りたがる。もちろん、大震災や大きな事件のような出来事がそれだけのインパクトをもつものであり、それについて語ることを私たちに求めてくることはいうまでもない。

しかし、そのような「強烈な出来事」よりも、実は、「その後」につづく生活のほうにこそ、語るべき事柄があり、さらには謎があるのではないか?
非日常的な出来事が起こった後に、人はいかにして日常を取り戻し、再発明していくのか? 

精神科医・中井久夫が提示した「翌日の医者」という考えを出発点として考えてみたい。

 

 

 

 

●3月28日(日)死ぬこと/生き延びること
「死ぬこと」について、人々はさまざまに論じてきた。それはドイツの哲学者ハイデガーが論じたように、「自分はいつか必ず死ぬ」という厳然たる事実が、私たちが何かを覚悟したり、決断することを促すからであろう。しかし、「死ぬこと」への注目は、死にある種のロマンを与え、容易にテロリズムにも通じる「死を賭けた行為」を導いてしまいかねない。

社会学者の上野千鶴子が90年代後半に提示した「生き延びるための思想」は「死ぬための思想」に対するアンチテーゼであった。臨床と政治を横断しながら、この2つの思想のコントラストについて考えたい。

 

 

 


講師:松本卓也まつもと・たくや]精神科医

1983年生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。精神病理学を出発点に、臨床と政治と思想を横断する論考を発表している。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社選書メチエ、2019年)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社、2019年)など。訳書にダリアン・リーダー『ハンズ 手の精神史』(共訳、左右社、2020年)、二コラ・フルリー『現実界に向かって ジャック=アラン・ミレール入門』(人文書院、2020年)などがある。

 

お申込み:2021年2月28日(日)〈必着〉までに、下の申込フォームにて。  ※お申込みは締め切りました。

・生活工房アドレス info@setagaya-ldc.net からのメールの受信許可設定をお願いします。

 特にdocomo携帯メールアドレスをご登録いただく場合、申込確認メールが届かない例が出ております。

・参加費の支払いは、Webクレジット決済を予定。詳細は当選者の方にご連絡します。
・後日YouTubeへの一部公開を前提として撮影が入ります。ご了承の上お申込みください。
・新型コロナウイルス感染状況により、内容に変更が生じる場合があります。

・新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から必要な対策を講じて実施します。

 会場ではマスク着用や入口での検温など、皆様のご協力をお願いいたします。

 

お問合せ:生活工房 TEL.03-5432-1543

※2020年12月29日(火)~2021年1月4日(月)は休館いたします。この時期のお申込み・お問合せへの返信は遅れることがございます。