プログラム

開催予定(参加者募集中)
  • [セミナー]
  • [ワークショップ]

対話の効能 〈わたし〉と〈あなた〉のあわい vol.2

予想外の新しい視点や関係を創造したり、自分の信念に変化が起こるなど、様々な効能が注目されている「対話」。その多様なアプローチについて学び・体験しながら、日常における「対話」の可能性を再考するセミナー第2弾。

会期:
2024年11月24日(日)   2024年12月14日(土)   2025年01月12日(日)  
会場:
ワークショップA(4F) / ワークショップB(4F) / その他

 誰かとじっくり「対話」をしたことはありますか。それは、日常のありふれたコミュニケーション行為の一つだと思われるかもしれません。しかし、その経験を改めて思い起こしてみるとどうでしょうか。例えば、他人の体験談の中に自分を見つけて共感したり、人々の語りに触発されて自らの感情や言葉が引き出されたり、その場からユニークな発想が生まれる経験をした人も多いのではないでしょうか。

 

 「 対話」には、別々に存在している〈わたし〉と〈あなた〉の分け目を揺るがし、多面的な自らの思いを発見させ、自分一人では辿り着かない新たな地平に導くような不思議な効能があるのかもしれません。

 

 近年、対話を通じて人々の〈生きづらさ〉にアプローチする様々な方法が注目を集めています。

依存や嗜癖、夫婦や親子関係などに苦しむ人々が、同じ悩みを持つ人同士で体験を分かち学び合う「自助グループ」や専門家が加わる「グループカウンセリング」。犯罪や紛争、いじめやハラスメントなどが生じた際に、被害者、加害者、家族、友人、地域の人など関係者が会し、傷や関係の修復を目指す「修復的正義」。病気や障害、仕事や子育て、人間関係など何らかの困りごとを抱える人々が、その仕組みや対処法について仲間と自分研究を行う「当事者研究」。

 既存の枠組みでは進展の難しい状況に、多声的対話を取り入れることで事態を好転させる実践的取り組みが多くの現場で発展拡大しており、私たちの日常生活における「対話」の可能性が再認識されています。

 

 本企画は、「対話」を中心に据えた多様なアプローチの実践者とともに、〈わたし〉と〈あなた〉のあわいから生まれる「対話」の効能について学び体験するセミナーです。誰にでも開かれた日常行為である「対話」が、自己を更新し、新しい視点や関係を創造する可能性について考えます。

 

 

 2024年 11月24日(日) 

 自助グループとグループカウンセリング


 信田さよ子[公認心理師・臨床心理士] 

 本多清見[公認心理師・臨床心理士]


 会場:ワークショップルームAB

 13:00~15:00

 講演+対談

 70名 1,500円

→残席有

 13:00~18:30

 講演+対談+体験【1日通し】

 30名 2,500円

→満席 

 

 2024年 12月14日(土) 

 修復的正義


 小松原織香[東北大学大学院文学研究科准教授]

 田中圭子[一般社団法人メディエーターズ代表理事]  

 

 会場:東京大学 駒場 I キャンパス18号館ホール 

 10:00~12:00

 上映

 70名 1,000円

→残席有

 10:00~18:30

 上映+講演+対談+体験

【1日通し】

 30名 3,500円

→満席 

 

 2025年 1月12日(日) 

 当事者研究

 

 熊谷晋一郎[東京大学先端科学技術研究センター教授]

 綾屋紗月[東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授] 


 会場:東京大学 駒場 I キャンパス18号館ホール 

 13:00~15:00

 講演+対談

 70名 1,500円

→残席有

 13:00~18:30

 講演+対談+体験【1日通し】

 30名 2,500円 

 →満席 


※後日YouTubeへの一部公開を前提に撮影が入ります
※タイムスケジュールは進行状況によって変更になる可能性があります  

 

 

対象:10代以上

申込:9月25日(水)10:00より表示される下記の申込フォームからお申し込みください

 

 

ファシリテーター

山内泰

1977年生まれ。NPO法人ドネルモ代表理事。一般社団法人大牟田未来共創センター(通称:ポニポニ)理事。株式会社ふくしごと取締役。東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。芸術工学博士(美学)。地域で対話の場づくりに取り組む一方で、問いと対話のメディア「湯リイカ」(主催:ポニポニ)などさまざまな有識者との対話企画をコーディネート。主な論文掲載に『デザインに哲学は必要か』(共著、武蔵野美術大学出版)、「『わたしの役柄』が表現すること 哲学者・國分功一郎さんとの対話から」(「精神看護」23巻4号、医学書院)など。

 

 

プレス関係の皆さまへ

こちらからプレスリリースがダウンロードできます

>PDFファイル(1.8KB)

 

アーカイヴ

「対話の効能 〈わたし〉と〈あなた〉のあわい vol.1」(2023年2月~3月開催)記録動画を公開中。

 

 

※パスマーケットによる事前決済 ※お一人様につき各日1枚まで。ご同伴者は別途お申込み下さい。

※キャンセル待ちは行っておりません。

※クレジット決済が難しい方およびYahoo! JAPAN IDに登録せずにお申込みを希望される方は、電話にて受付します。

必要事項:①参加を希望される回、②お名前、③ご連絡先、④人数 ※電話受付の席数には限りがあります。あらかじめご了承下さい。

電話番号:生活工房 03-5432-1543(休館日を除く10:00-18:00)


自助グループとグループカウンセリング

「自助グループ」は、病気、障害、依存、嗜癖、マイノリティなど共通の問題を抱える人やその家族が自主的に集まり、「言いっぱなし・聞きっぱなし」で体験を語り合いながら、 困難な状態からの回復を目指すアプローチです。1935年 にアメリカで誕生したアルコール依存症者の自助団体を 原型に、今では世界中に多種多様な自助グループがあります。また「グループカウンセリング」は、共通の悩みを持つ人々がテーマに沿って自分の体験を話す場にカウンセラーがファシリテーターとして入り、集団の持つ力によって、各々が抱える問題への気づきや行動改善、自己成長を目指す手法です。この回では、前半に自助グループとグループカウンセリングの歴史的変遷と実践について伺います。後半では、心理劇の手法を取り入れながら、グループ対話の意味を学び、その効能を体験します。

 

スケジュール

13:00~15:00 《講演+対談》
15:00~15:30 休憩
15:30~18:30 《体験》

 

日時:2024年 11月24日(日)13:00~18:30

会場:ワークショップルームAB

講師:信田さよ子、本多清見

対象:10代以上

参加費:

【講演+対談+体験】2,500円(13:00~18:30)→満席

【講演+対談】1,500円(13:00~15:00)→残席有

定員

【講演+対談+体験】30名(申込先着)

【講演+対談】70名(申込先着)

申込方法:9月25日(水)10:00より表示される申込フォームからお申し込みください

 

 

 

プロフィール

信田さよ子

公認心理師、臨床心理士、日本公認心理師協会会長、日本臨床心理士会理事。駒木野病院勤務を経て1995年原宿カウンセリングセンターを設立(現在顧問)。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、DV、虐待、性暴力、ハラスメントの加害者・被害者へのカウンセリングを行う。著書に『暴力とアディクション』(青土社)、『母が重くてたまらない』(春秋社)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『アダルト・チルドレン』(学芸みらい社)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)、『共依存』(朝日文庫)など。


本多清見

公認心理師・臨床心理士。原宿カウンセリングセンターにて、家族問題、対人関係、生き方の悩み、DV、虐待被害・加害等への個別カウンセリングを担当。東京薬科大学学生相談室および東京女子大学ハラスメント相談室にて相談員を務める。また複数の企業において、メンタルヘルスや職場環境改善に関する社員研修、親子関係に関するレクチャー等を行う。学会発表に「『語り』から『行為』への懸け橋 ―心理劇の方法としての想像力―」(2013年日本心理臨床学会)、「コンバインドセラピーとしての心理劇を通じたクライアント理解」(2016年日本心理劇学会)など。


修復的正義

「修復的正義(司法)[Restorative Justice]」とは、犯罪や暴力、トラブルが起きた時に介入する紛争解決のアプローチのひとつです。現代社会では、深刻な人々の対立が起きた場合は裁判や法律家による調停が行われます。他方、紛争の被害者、加害者、それに関わる人たちは、「自分たちの話を聞いてほしい」という痛切な想いを持つことがあります。修復的正義では、ファシリテーターやメディエーター(調停者)が人々の声を聞き、対話を通して共に問題を解決していく道を探していきます。現在、世界中の裁判所、学校、福祉現場などで修復的正義の実践が進められています。この回では、前半に被害者家族と加害者家族の対話をテーマとした映画『対峙』を鑑賞します。後半では、修復的正義の基礎知識を学び、対話の手法のひとつであるメディエーションのワークショップを実施します。 

 

   

© 2020 7 ECCLES STREET LLC

 

映画『対峙』

(2021年/アメリカ/ 111分 監督:フラン・クランツ)

高校で起きた生徒による銃乱射事件の被害者 家族と加害者家族の対話を描くドラマ。事件から6年後、息子の死をいまだに受け入れられないジェイとゲイルは、セラピストの勧めで、事件後にそのまま校内で自ら命を絶った加害者の両親と会って話をする機会を得る。英国アカデミー賞をはじめ各国の映画賞81部門でノミネート、釜山国際映画祭フラッシュフォワード部門観客賞をはじめ43映画賞を受賞。

https://transformer.co.jp/m/taiji


スケジュール

10:00~12:00 《上映『対峙』》
12:00~13:00 休憩
13:00~15:30 《講演+対談》
15:30~16:00 休憩
16:00~18:30 《体験》

 

日時:2024年 12月14日(土)10:00~18:30

会場東京大学 駒場 I キャンパス 18 号館ホール

   東京都目黒区駒場 3-8-1 京王井の頭線「駒場東大前駅」東大口すぐ

講師:小松原織香、田中圭子

対象:10代以上

参加費:

【上映+講演+対談+体験】3,500円(10:00~18:30)→満席

【上映のみ】1,000円(10:00~12:00)→残席有

定員

【上映+講演+対談+体験】30名(申込先着)

【上映のみ】70名(申込先着)

申込方法:9月25日(水)10:00より表示される申込フォームからお申し込みください 

 

 

プロフィール

小松原織香

東北大学大学院文学研究科准教授。戦争、犯罪、災害などを生き延びた人々の“その後”について、修復的正義、コミュニティ再生、被害者支援、アートと社会運動の分野から研究。著書に『当事者は嘘をつく』(筑摩書房)、『性暴力と修復的司法:対話の先にあるもの』(成文堂)でジェンダー法学会西尾学術奨励賞受賞。論文に『〈被害者の情念〉から〈被害者の表現〉へ―水俣病「一株運動」(1970年)における被害者・加害者対話を検討する』(2019年「現代生命哲学研究」)で社会倫理研究奨励賞受賞。TV出演に「生き延びるための物語 哲学研究者・小松原織香」(NHK「こころの時代」)など。


田中圭子

一般社団法人メディエーターズ代表理事。家庭裁判所調停委員、産業カウンセラー、英国 Centre for Effective Dispute Resolution 認定メディエーター。愛知教育大学・大学院非常勤講師。人間関係のトラブルにおいて、対話を通して互いの自己解決力を促すメディエーションの普及活動を行う。近年は、中学生や教職員へトレーニングを行うなど対話文化の創生を実践。著書に『聴く力 伝える技術 人間関係の誤解を解くメディエーションの極意』(日本加除出版)。共著に『調停にかかわる人にも役立つメディエーション入門』(弘文堂)など。 TV出演に「“ご近所トラブル”に巻き込まれないために」(NHK「あさイチ」)など。


当事者研究

「当事者研究」とは、自身の苦労や生きづらさを持ち寄り、仲間とともにそのメカニズムや解決策を研究して等身大の〈わたし〉を発見していく実践的アプローチです。2001年、北海道にある精神障害者らの地域生活拠点である「浦河べてるの家」で、当事者の自助活動の一つとして生まれました。近年は、引きこもり、子育て、企業のマネジメント改革、子どもによる当事者研究など幅広い分野で応用発展し、海外からも高い注目を集めています。この回では、前半に当事者研究の思想的背景やその効能および最新の研究についてお話しいただきます。後半では、参加者が自身の困りごとや癖などを元に研究テーマを決めて〈苦労エピソード〉を思い起こし、〈苦労年表〉や〈苦労パターン〉を作成し、みんなで語り合いながら「当事者研究」を体験します。

 

スケジュール

13:00~15:00 《講演+対談》
15:00~15:30 休憩
15:30~18:30 《体験》

 

日時:2025年 1月12日(日)13:00~18:30

会場東京大学 駒場 I キャンパス 18 号館ホール

   東京都目黒区駒場 3-8-1 京王井の頭線「駒場東大前駅」東大口すぐ

講師:熊谷晋一郎、綾屋紗月

対象:10代以上

参加費:

【講演+対談+体験】2,500円(13:00~18:30)→満席

【講演+対談】1,500円(13:00~15:00)→残席有

定員

【講演+対談+体験】30名(申込先着)

【講演+対談】70名(申込先着)

申込方法:9月25日(水)10:00より表示される申込フォームからお申し込みください

 

 

プロフィール

熊谷晋一郎

東京大学先端科学技術研究センター教授、小児科医。日本発達神経科学学会理事、内閣府障害者政策委員。新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学病院小児心臓科勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程を経て現職。専門は小児科学、当事者研究。著書に『当事者研究 等身大の〈わたし〉の発見と回復』(岩波書店)、『リハビリの夜』(医学書院、第9回 新潮ドキュメント賞受賞)。編著に『みんなの当事者研究』、『当事者研究をはじめよう』(共に金剛出版)など。


綾屋紗月

東京大学先端科学技術研究センター特任准教授。精神障害や発達障害など外側からは見えにくい症状を内側から記述し、仲間と共に自らのメカニズムを探っていく「当事者研究」を行う。発達障害者が参加・運営する当事者研究会「おとえもじて」を主催。著書に『当事者研究の誕生』(東京大学出版会)など。共著に『発達障害当事者研究 ゆっくりていねいにつながりたい』、『当事者研究の研究』(共に医学書院)、『つながりの作法 同じでもなく違うでもなく』(NHK出版)など。編著に『ソーシャル・マジョリティ研究』(金子書房)など。


*

主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房

協力:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター(UTCP)

後援:世田谷区、世田谷区教育委員会

関連するプログラム