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映像のフィールドワーク展  20世紀の映像百科事典をひらく | 世田谷文化生活情報センター 生活工房

プログラム

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映像のフィールドワーク展 
20世紀の映像百科事典をひらく

私たちは何を残してきたのか、

そして何を残していくのか―。

手から手へ伝えてきた人類の営みを、

映像から手さぐりする展覧会。

会期:
2019年03月16日(土)~2019年04月07日(日)
時間:
11:00~19:00、月曜休み
会場:
ワークショップA(4F) / ワークショップB(4F) / 生活工房ギャラリー(3F)

観る、やってみる、問いつづける。

 

1952年、第2次世界大戦の敗戦後間もないドイツの国立科学映画研究所で、ある壮大なプロジェクトが始まりました。

その名は「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」(以下、ECフィルム)。世界中の知の記録を集積することを目指した、“映像による百科事典”です。

以降40年余りの歳月をかけ、あまたの研究者やカメラマンが世界各地に派遣され、その地に生きる人々の暮らしや儀礼、動植物の生命活動をフィルムに収めました。映像の総数は、実に3,000タイトル以上にも及びます。

 

その映像群には、人類が誕生してから連綿とつないできた、「生」そのものが記録されています。道具を作り、狩りをし、果実を集め、土を耕し、料理して食べ、紐を綯い、衣服を作り、住居を建て、身を飾り、時に祈り、踊り歌い、子を産み育てる―。これらの映像を記録した人々は、未来の私たちに、何を伝え、残したかったのでしょう。タイムカプセルの中身を現代に活かせるかどうかは、私たち自身の手に委ねられています。

 

本展では、いまだ全容が解明されていないECフィルムの映像群から、「住処」「音楽」「料理」「儀礼」「ひも」などのキーワードで拾い集め、約70作品を会場内のあちこちに投影します。映像のなかの世界をひもとくように探索しながら、そこで生まれた来場者の問いと気づきが展示に反映されていきます。過去からのメッセージを未来へとつないでいく、参加型の展覧会です。

 

 

〈展示内容〉

展示会場内に、仮設の「ECフィルム研究所」が出現!

映像のフィールドワークを毎日やっています。

 

1.身体を通して映像を観る

ECフィルムが大画面に投影された展示空間では、ただ「観る」だけでなく、映像の中の行為(ひもを綯う、踊る、鳴らすなど)を「やってみる」体験ができます。デジタル化している約600タイトルの映像も自由に検索・閲覧できます。

 

2018年3月開催「映像のフィールドワーク・ラボ」vol.3「みみをすます」風景

 

2.さまざまなキーワードで、ECフィルムを再構成。

「回る」「たたく」「運ぶ」「笑う」など40のことばでECフィルムに映り込んでいるものごとを切り取り、世界中の営みが同時投影される映像インスタレーション作品《Diverse and Universal Camera》を初公開します

《Diverse and Universal Camera》2019, 野口靖+ECわらしべ調査隊


3.ECラボラトリーズ!!

展示会場では、映像をめぐって連日なにかが出遭い、起こり、「実験」の痕跡が残されていきます。さまざまな〈ゲスト研究員〉が登場し、その日だけ上映される映像も。*すべて会場は4階展覧会場内で開催。参加費無料・申込不要、当日会場へ。

(写真左から)「漁撈用の帽子編み」(ギルバート諸島 ノヌーティ環礁/ミクロネシア人/1965年)、「カバの解体」(中央アフリカ カーネム/ハッダド族/1960年)、「マニオクの収穫と晒し、平パン焼き」(ベネズエラ オリノコ川源流域/マキリタレ族/1969年)、「毛織の頭巾付き外套”ブルヌス”の洗濯」(北アフリカ アトラス高地/アイト・ハディドゥ族/1970年)、「ヴァデアのトウモロコシ粥料理”ママリガ”」(ルーマニア/1960年)、「ムラサキホコリカビの一種 変形体相」(1972年)


●3月16日(土)14:00-15:30

レプリカを作ってみる。ミクロネシアの帽子を編む。〈ゲスト研究員〉本間一恵さん(縄文のかごを再現したバスケタリー作家)

上映予定作品:「漁撈用の帽子編み」(ギルバート諸島 ノヌーティ環礁/ミクロネシア人/1965年)

●3月20日(水)14:00-15:30

カバを狩って食べる!?ニジェールの「カバ猟」を研究者に聞く。〈ゲスト研究員〉佐久間寛さん(アフリカ地域研究、人類学者)

上映予定作品:「カバ猟」(西アフリカ ニジェール川中流域/ソンガイ族/1958年)、「カバの解体」(中央アフリカ カーネム/ハッダド族/1960年)

●3月23日(土)14:00-15:30

やってみたい、世界のあやとり―北極や南米、ニューギニア。〈ゲスト研究員〉野口ともさん(国際あやとり協会

上映予定作品:「綾取り」(ブラジル トカンティス地方/クラホ族/1964-65年)、「綾取り」(ニューギニア 中央高地/アイポ族/1979年)、「綾取り」(北グリーンランド チューレ地方/極地エスキモー/1974年)

●3月26日(火)14:00-16:00

「顔」ってなんだろう?仮面を作って、かぶって、考えてみる。〈ゲスト研究員〉藤山麻美さん(こども美術造形教室を主宰して30年)

上映予定作品:「仏教徒巡礼の踊り」(東チベット チベット人/1957年)、「“アルアナ”仮面舞踊」(ブラジル アラグアイア地方/ヤバヘ族/1959年)

●3月27日(水)14:00-16:00

映像を見ながら作って食べる実験①「マニオク(キャッサバ)の平パン」は本当に作れるのか?

上映予定作品:「マニオクの収穫と晒し、平パン焼き」(ベネズエラ オリノコ川源流域/マキリタレ族/1969年)

●3月28日(木)14:00-15:30

洗濯機が無かったら?比べてみよう、昭和の洗濯、北アフリカの洗濯。〈ゲスト研究員〉小林こずえさん(昭和のくらし博物館学芸員)

上映予定作品:「毛織の頭巾付き外套”ブルヌス”の洗濯」(北アフリカ アトラス高地/アイト・ハディドゥ族/1970年)

●3月29日(金)14:00-16:00

映像を見ながら作って食べる実験②ルーマニアの「ママリガ」(トウモロコシ粉料理)

上映予定作品:「ヴァデアのトウモロコシ粥料理”ママリガ”」(ルーマニア/1960年)

●3月31日(日)14:00-16:00

映像の中のチベット人と一緒に踊ってみたら…。〈ゲスト研究員〉佐藤剛裕さん(チベット僧院に弟子入りした研究者)

上映予定作品:上映予定作品:「仏教徒巡礼の踊り」(東チベット チベット人/1957年)

●4月2日(火)14:00-15:30

音を出してみる実験① 映像に耳を澄ます。音のない映像に音を聞く。思い巡らす。〈ゲスト研究員〉松村拓海さん(フルーティスト、作曲家)

上映予定作品:「打楽器の演奏」(西アフリカ 象牙海岸/バウレ族/1968年)、「イセーのリズミカルな米搗き」(バリ島/カランガセム地区/1973年)、「ムミエの石刃研ぎ」(ニューギニア セピク川中流域/イアトムル族/1976年)、「毛織の頭巾付き外套”ブルヌス”の洗濯」(北アフリカ アトラス高地/アイト・ハディドゥ族/1970年)、「男の跳躍ゲ-ム“オリ(バッタ遊び)”」(南アフリカ カラハリ砂漠/!コ・ブッシュマン/1971年)、「”アルアナ”仮面舞踊」(ブラジル アラグアイア地方/ヤハベ族/1959年)、「カンガナムンのカヌーの完成式 森の精霊と女の祖霊の登場」(ニューギニア セピク川中流域/イアトムル族/1973年) 

●4月3日(水)14:00-15:00

粘菌ってどんな生きもの?〈ゲスト研究員〉増井真那さん(変形菌研究一筋10年以上の高校生)

上映予定作品:「ムラサキホコリカビの一種 変形体相」(1972年)

●4月5日(金)14:00-15:30

音を出してみる実験② みんなのリズムで一つの音楽をつくる「バリの音の世界」〈ゲスト研究員〉増野亜子さん(自ら演奏する民族音楽者)

上映予定作品:「バリの音楽のリズム型」(バリ島 カランガセム地区/1973年)

●4月6日(土)14:00-15:30

映像アーカイブの歴史と現在について聞く。〈ゲスト〉原田健一さん(新潟大学地域映像アーカイブ研究センター)、岡田一男さん(東京シネマ新社

 

 

4.過去からの伝言は、次の世代へ。

ECフィルムは過去からのメッセージ。その伝言を受けとった来場者の問いや気付きは、映像ごとの「伝言フォルダー」にまとめられ、次に観る人に手渡されていきます。

映像というメディアは、そしてそれを目撃した私たちは、何を次世代に伝えていくことができるのでしょうか?

本展は、映像に記録された生命の営みを未来に伝える方法を探る、一つの実験なのです。


関連イベント

1.トークセッション「とる、みる、つかう。―暮らしの中の記録と表現、その現在形」

3月24日(日)14:00-16:30 

会場:生活工房5階セミナールームAB

 

誰もが毎日大量の「記録」を残す現代。記録とはどんな意味を持ち、誰に受け渡していくものなのか。

生活工房とともに記録映像のプロジェクトに携わる方々と語り合いながら、その問いに向き合います。

 

 

(左)〈穴アーカイブ〉風景 (右)岩手県陸前高田市の風景

 

【トーク】

下中菜穂(EC活用プロジェクト/造形作家)*「映像のフィールドワーク展」企画制作、

松本篤(remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]「穴アーカイブ」企画制作

小森はるか(映像作家)+瀬尾夏美(画家、作家) 「陸前高田の記録を読み直なおす/声に出す」企画制作

進行:丹羽朋子(EC活用プロジェクト/NPO法人FENICS

 

参加費:無料/50名(申込先着) 申込:2月25日10時より下に表示される申込フォームより


2.EC音楽映像傑作選上映会「うたと生きている」

3月30日(土)[第1回]13:00-14:30 [第2回]15:30-17:00

会場:生活工房5階セミナールームAB

 

ECフィルムの中から、現地の生活の中の歌や祭りの歌、遊びの歌を記録した映像を選び、上映します。

 

  

上映作品:「夜の仮面の登場」(赤道アフリカ カメルーン草原/ティカール族/1977年)*写真左、「子供の踊り」(中央スーダン 南ワダイ/ダンガリート族/1964年)、「打楽器の演奏」(西アフリカ 象牙海岸/バウレ族/1968年)、「娯楽の歌を伴うハンドピアノ演奏」(南アフリカ カラハリ砂漠/!コ・ブッシュマン/1972年)、「うちわ太鼓の歌」(東グリーンランド アンマサリック地方/エスキモー/1962年)、「バリの音楽のリズム型」(バリ島/カランガセム地区/1973年)、「男たちの歌”ディド”」(西ニューギニア 中央高地/アイポ族/1979年)*写真中、「男の跳躍ゲーム”オリ(バッタ遊び)”」(南アフリカ カラハリ砂漠/!コ・ブッシュマン/1971年)、「ムミエの石刃研ぎ」(ニューギニア セピク川中流域/アイポ族/1976年)、「楽弓の伴奏による王女マゴゴ・カ・ディヌズルの三つの歌」(南アフリカ ナタール/ズールー族/1968年)*写真右、計10作品

 

参加費:500円/各回50名(当日先着) 申込:不要。当日直接会場へ


*

特別協力:公益財団法人下中記念財団

企画制作:EC活用プロジェクト〈下中菜穂、丹羽朋子、中植きさら〉、野口靖

協力:株式会社ポレポレ東中野株式会社東京シネマ新社NPO法人アートフル・アクションNPO法人FENICS東京工芸大学芸術学部ソフトウェアデザイン研究室女子美術大学芸術文化ゼミⅠ(芸術人類学)昭和のくらし博物館国際あやとり協会、柳とあそぼう引地川、川瀬慈村橋勲、宮下美穂、吹山なみほ、ECラボひも部、ECわらしべ調査隊

宣伝美術:吉田勝信

後援:世田谷区、世田谷区教育委員会

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