誰かの家の、誰かの作品。
玄関で出迎える水彩画、リビングに飾られた油絵、和室にたたずむ彫刻……。
〈プライベート・コレクション展〉は、ふだん誰かの自宅で飾られている美術作品が集う展覧会です。
アーティストの藤井龍は、個人宅にある美術作品の展示風景を写真撮影し、『Private Collection』と題して発表してきました。
ときにユーモラスな印象を与えるこうした写真は、生活と同居する美術のあり方を私たちに気づかせます。
それはまた、ふだん意識することのない生活を意識するきっかけにもなるでしょう。
本展では、世田谷区内でみつかった「プライベート・コレクション」を紹介します。
今回のために撮影した写真だけでなく、18軒の個人宅から集まった約20点の美術作品を展示し、さらに所有者へのインタビューも公開。
所有者によって語られる作品の由来や思い入れは、それぞれの暮らしと切り離せないユニークなエピソードばかりです。
収蔵庫を持たない生活工房が、個人宅から作品をお借りして開催する展覧会。
生活とともにあるプライベートな美術作品の数々を、どうぞお愉しみください。
企画制作:藤井 龍(ふじい・りょう)
美術家。1987年岡山県生まれ。写真や映像、パフォーマンスなどのメディアを用いたプロジェクトを発表している。 http://ryofujii.com
Photo: Ryo Fujii